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航空宇宙機器(AMAS社)

航空宇宙分野は世界で最も厳しい品質基準が求められます。これは航空機メーカーに限ったことではなく、サプライヤーについても同様です。AMASエンジニアリング社(ドイツ、ノイカリス)は2003年にエアバス社の特別サプライヤーとしての業務を開始し、 9100 DIN ENの認証を受けています。AMAS社は現在、航空宇宙機器の他、自動車・鉄道業界用のカスタムコンポーネントも製造しています。


AMAS社では、20mにもなるコンポーネントの製造検査を0.1mm単位の精度で行うことが求められます。世界各地にある同社の民間および軍用顧客の品質要求を満足させるために、同社は2007年なかばにAPIレーザートラッカーを導入しました。

エアバスA380用部品の海上輸送時、部品の計測はレーザートラッカーで行われました。

AMAS社が直面した精度要求は、一見したところ実現不可能に思われました。また、建設分野とプラント製造分野に新規参入するということは、さらに製品寸法が大きくなる上に、許容差がさらに厳しくなることを意味します。これらの理由から、AMAS社はレーザートラッカーによる計測を導入しました。同社は自社の計測システムを採用するときの基準として、システムの精度、堅牢性、携帯性、使いやすさ、そして CATIA V5との互換性を考慮に入れました。

AMAS社のスタッフは、そのシステムの選択について大きな発言権を持っていました。レーザートラッカーが過酷な製造環境で日常的に使われるという点を考えると、システムは堅牢であると同時に高精度のものでなければなりません。これらのニーズを唯一満たすと見なされたのが、API Tracker3です。同様製品の中で最も大きい計測距離と最も高い精度を持つTracker3は、過酷な環境や大きな温度変化にも耐えられるように設計されています。同社が特に注目したのは、冷却ファンが不要で、塵や汚れに対して完全に密封されていた点です。また、APIトラッカーは最大120mの計測エリアを持っているため、建築物やプラントのメンテナンス用としても安心して広範な計測を行うことができます。

API計測システムのもう1つの利点は機動性です。APIレーザートラッカーは、市販製品の中で最もコンパクトな部類にランクされます。これは主に、レーザー干渉計、角度測定システム、およびADM光学系を装置ヘッド部の単一ブロックに組み込むという革新的な設計によるものです。重量わずか8.5kg、全高36cmのトラッカーは、標準的なスーツケースとして航空機内に持ち込めるほど軽量でコンパクトです。 AMAS社の場合、この携帯性は、航空機の着陸フラップなどのような複雑な部品でも製造現場で直接測定できることを意味します。APIのレーザー測定システムは自動車のトランクにも簡単に積み込むことができるので、AMAS社は顧客の要望に迅速に対応し、必要に応じ現場で計測レポートを作成することが可能です。

以上述べたような利点の他に、決定的要因となったのはレーザートラッカーの精度でした。同社が製造した空輸用ラックのサンプル計測により、その精度が、信頼できるというレベル以上であることが証明されました。現在、APIレーザートラッカーは、AMAS社の大型3次元溶接コンポーネントの測定および調整プレート用にも使われています。